6歳からの弱視治療(後編) [眼科]
6歳からの弱視治療(前編)からの続きです。
娘は、弱視治療のために
遠視用眼鏡+1日4時間 右目にアイパッチを貼り、
さらに
「ミドリンM」という、目の筋肉を休める目薬
(アトロピンよりは弱いトロピカミドを含む)を
毎日、夜寝る前に使いました。
この目薬は、少ししみるらしいです。
そして、1ヵ月に1回、眼科に定期健診に行くのですが
それがかなり大変で。
まず、娘の弟2人を家においておくわけにもいかないので
小学校から帰ってくる娘を連れて、弟たちを保育園まで迎えに行き
そこから、3人でぞろぞろと眼科まで歩くことに。
蝉が鳴き蚊が飛ぶ暑い夏も、北風が吹き早くに日が落ちる寒い冬も。
そして眼科に着くと、毎回必ず眼圧の検査があるのですが
(ミドリンM=トロピカミドには稀に眼圧上昇の副作用があるため)
娘は、風が目にあたるのが怖くて、なかなか目を開けることができず
仕方なく、順番を待っている人に先に検査を受けてもらったりして
眼圧を測定し終わるまでに、1時間以上かかるのが当たり前で。
まあとにかく、娘の頑張り+家族の協力のおかげで
左目の矯正視力は、病院で検査を受けるたびに
6歳6か月 0.4
6歳7か月 0.5
6歳8か月 0.6
6歳11か月 0.9
と、どんどんよくなっていきました。
やっぱり、視神経や脳の視覚野が発達するための準備は整っていて、
あとは、はっきりした像を見て
視機能をトレーニングするるだけの状態だったんだなあ~と
思ったり。
立体視できているかどうかのテスト(チトマスステレオテスト?)で
立体視できていることも確認でき、
両目ともちゃんと使っているようだったので
7歳1か月のときに、アイパッチを卒業。
そして、7歳4か月のときの診察の視力検査で、
ついに、左目の矯正視力1.0を達成しました!
とはいえ、遠視が治ったわけではないので
眼科には引き続き通い続けました。
娘の成長にあわせて、眼鏡の度数もかわっていったので
そのたびに眼鏡処方箋を書いてもらい、
眼鏡屋さんに行って、眼鏡を作り直しました。
各年齢での眼鏡の度数は、以下の通り。
6歳6か月 右 +1.5D 左 +6.0 D(乱視ー1.0)
8歳8か月 右 +0.5D 左 +4.5 D(乱視ー0.5D)
10歳8か月 右 フラット 左 +3.75D(乱視ー0.5D)
12歳4か月 右 フラット 左 +2.75D(乱視ー0.5D)
15歳1か月 右 -0.5D 左 +2.75D(乱視ー0.5D)
娘が成長するにつれて、
左目は、遠視の程度が弱くなっていったのですが
右目は、もともと軽い遠視だったのが
軽い近視になってしまいまして、
度がない眼鏡だと、黒板が見えづらくなってしまいました。
眼科の医師からは、片目近視・片目遠視の眼鏡にすると
目が疲れるかもしれないと言われたのですが、
本人が、どうしても黒板が見えづらいというので
無理を言って、片目近視・片目遠視の処方箋を書いてもらいました。
そうして作った眼鏡をかけてみたところ、
たしかに黒板はよく見えるけれど、頭がクラクラするそうで、
結局、よほど必要なとき以外は、1つ前に作った
左目遠視・右目フラットの眼鏡を使い続けることに。
娘は、6歳ではじめて弱視と分かり
インターネット等で調べて、治療を始めるにはかなり遅い年齢だとわかって
どうなることかと思いましたが、
結局、治療が間に合ったようで
なんとか弱視が治ってくれてよかったです。
今の娘は、本を読むのが好きで
いつも、すごくたくさんの本を読んでいます。
しかし小さい頃は、いくら本を読ませようと思っても
あまり読もうとしなかったので、
この子は本が嫌いなのかな、と思っていました。
もしかしたら、遠視・弱視で字があまり見えなかったから
本を読もうとしなかったのかもしれないです。
ちなみに、弟2人には、強度遠視や弱視などはなく
そのうち1人は、むしろ中程度の近視に。
遠視か近視かは、兄弟でもかなり違うものです。
娘は、弱視治療のために
遠視用眼鏡+1日4時間 右目にアイパッチを貼り、
さらに
「ミドリンM」という、目の筋肉を休める目薬
(アトロピンよりは弱いトロピカミドを含む)を
毎日、夜寝る前に使いました。
この目薬は、少ししみるらしいです。
そして、1ヵ月に1回、眼科に定期健診に行くのですが
それがかなり大変で。
まず、娘の弟2人を家においておくわけにもいかないので
小学校から帰ってくる娘を連れて、弟たちを保育園まで迎えに行き
そこから、3人でぞろぞろと眼科まで歩くことに。
蝉が鳴き蚊が飛ぶ暑い夏も、北風が吹き早くに日が落ちる寒い冬も。
そして眼科に着くと、毎回必ず眼圧の検査があるのですが
(ミドリンM=トロピカミドには稀に眼圧上昇の副作用があるため)
娘は、風が目にあたるのが怖くて、なかなか目を開けることができず
仕方なく、順番を待っている人に先に検査を受けてもらったりして
眼圧を測定し終わるまでに、1時間以上かかるのが当たり前で。
まあとにかく、娘の頑張り+家族の協力のおかげで
左目の矯正視力は、病院で検査を受けるたびに
6歳6か月 0.4
6歳7か月 0.5
6歳8か月 0.6
6歳11か月 0.9
と、どんどんよくなっていきました。
やっぱり、視神経や脳の視覚野が発達するための準備は整っていて、
あとは、はっきりした像を見て
視機能をトレーニングするるだけの状態だったんだなあ~と
思ったり。
立体視できているかどうかのテスト(チトマスステレオテスト?)で
立体視できていることも確認でき、
両目ともちゃんと使っているようだったので
7歳1か月のときに、アイパッチを卒業。
そして、7歳4か月のときの診察の視力検査で、
ついに、左目の矯正視力1.0を達成しました!
とはいえ、遠視が治ったわけではないので
眼科には引き続き通い続けました。
娘の成長にあわせて、眼鏡の度数もかわっていったので
そのたびに眼鏡処方箋を書いてもらい、
眼鏡屋さんに行って、眼鏡を作り直しました。
各年齢での眼鏡の度数は、以下の通り。
6歳6か月 右 +1.5D 左 +6.0 D(乱視ー1.0)
8歳8か月 右 +0.5D 左 +4.5 D(乱視ー0.5D)
10歳8か月 右 フラット 左 +3.75D(乱視ー0.5D)
12歳4か月 右 フラット 左 +2.75D(乱視ー0.5D)
15歳1か月 右 -0.5D 左 +2.75D(乱視ー0.5D)
娘が成長するにつれて、
左目は、遠視の程度が弱くなっていったのですが
右目は、もともと軽い遠視だったのが
軽い近視になってしまいまして、
度がない眼鏡だと、黒板が見えづらくなってしまいました。
眼科の医師からは、片目近視・片目遠視の眼鏡にすると
目が疲れるかもしれないと言われたのですが、
本人が、どうしても黒板が見えづらいというので
無理を言って、片目近視・片目遠視の処方箋を書いてもらいました。
そうして作った眼鏡をかけてみたところ、
たしかに黒板はよく見えるけれど、頭がクラクラするそうで、
結局、よほど必要なとき以外は、1つ前に作った
左目遠視・右目フラットの眼鏡を使い続けることに。
娘は、6歳ではじめて弱視と分かり
インターネット等で調べて、治療を始めるにはかなり遅い年齢だとわかって
どうなることかと思いましたが、
結局、治療が間に合ったようで
なんとか弱視が治ってくれてよかったです。
今の娘は、本を読むのが好きで
いつも、すごくたくさんの本を読んでいます。
しかし小さい頃は、いくら本を読ませようと思っても
あまり読もうとしなかったので、
この子は本が嫌いなのかな、と思っていました。
もしかしたら、遠視・弱視で字があまり見えなかったから
本を読もうとしなかったのかもしれないです。
ちなみに、弟2人には、強度遠視や弱視などはなく
そのうち1人は、むしろ中程度の近視に。
遠視か近視かは、兄弟でもかなり違うものです。
6歳からの弱視治療(前編) [眼科]
今高校生の娘が、遠視・弱視の治療をした話です。
前編では、発見~治療開始まで、
後編では、治療開始~治療終了までについて書きます。
娘が6歳6か月、保育園の年長さんの冬。
春から入学予定の小学校に行って、就学時検診を受けました。
視力検査を行った先生いわく
「〇〇ちゃんは、左目の視力が出ないです。
すぐに眼科に行ってください」
目に異常があるとは思っていなかったので、まさに寝耳に水。
視力が出ないってどういうこと?
近視ってこと??
よく見えていないってこと?
家に帰る途中、遠くにある某電機屋さんの看板を指さして
「あの看板よく見える?」
「みえる」
右目を隠して
「左目だけで、あの看板よく見える?」
「みえない」
あ~やっぱり左目はよく見えないんだあ(汗)
次の日、近所の総合病院の眼科に行って
視力検査・視野の検査・眼底検査などを受けました。
そして出た結果は、
右目の弱い遠視と、左目の強度遠視による弱視。
いわゆる不同視弱視、という状態。
子どもが遠視?
子どもは普通、近視なんじゃないの?
眼科の医師いわく、
子どもの視力は、生まれた頃にはあまりよく見えないけれど
成長するにつれて、いろいろなものを見ることによって
視機能(ピントをあわせる調節能力、両目で立体を見る能力など)
を発達させていくそうです。
しかし、強度の遠視の場合には
網膜にピントがあった鮮明な像が映らないため、
視機能が充分発達できず、弱視になってしまうそうです。
そして弱視になると、眼鏡やコンタクトレンズを使ったとしても
ぼんやりとしか見えなくなってしまうそうです。
視機能は、生まれてすぐに発達し始めて
3~4歳ころまでには視力1.0くらいまで発達し、
6歳頃にはほぼ完成するそうです。
そして、8歳くらいまでに、視機能の発達は終わってしまうので
それ以降に治療を始めても、弱視は治らないそうです。
(ただし、視機能の発達が終わる時期には個人差があります)
視機能の異常は、できるだけ早く発見できたほうが
完全に治りやすいので、
3歳児検診で発見できるのが理想なのですが、
きちんとした眼科健診が行われていない市町村が多いようです。
私のいた市町村でも、3歳児の眼科検診はありませんでした。
というわけで、左目が強度遠視で弱視になっているのが
視力が出ない(眼鏡をかけても視力1.0未満)原因と分かったので、
すぐに、視機能を回復させる訓練を始めることにしました。
まずは、遠視にあわせた眼鏡作りの準備。
目の筋肉(毛様体筋)の緊張を完全にとって
目を完全にニュートラルな状態にするために、
アトロピン(調節麻痺薬)の目薬を数日さしました。
そして眼科に行って、度数の測定。
娘の眼鏡の度数は、以下の通りでした。
右:+1.5 左:+6.0(乱視ー1.0)
+6.0は、中等度遠視と強度遠視の境目くらいです。
この時点での左目の矯正視力
(眼鏡をかけた状態での視力)は0.4。
目標は1.0です。
眼鏡を作るときに、医師から、保険申請のための
「弱視等治療用眼鏡等作成指示書」という書類をいただきました。
これがあれば、
眼鏡の代金の8割は健康保険から出してもらえ、
残り2割も、乳幼児医療費から出してもらえるようです。
申請できるのは、5歳未満は1年1回
(正確には、前回の申請から1年以上経過していること)
5歳~9歳未満は2年に1回のようです。
処方箋をもらったときに、医師から
できれば、アトロピンの効き目が残っているうちに
眼鏡を作るといい、
そのほうが本人が眼鏡のメリットを強く感じるから、とのこと。
そしてできた眼鏡はこちら。
右+1.5D、左+6.0Dで
やっぱり右目のほうは、虫眼鏡みたいに光をよく集めますw
眼鏡を持って眼科に行き、チェックしてもらったら
ちゃんとできているそうです。
眼鏡もできたので、いよいよ目の訓練開始。
医師の話では、
ただ度があった眼鏡をかけるだけでは
これまで使っていなかった左目は、ほとんど使われないそうです。
なので、強制的に左目を使わせるために
右目に「アイパッチ」というシールを貼って
ふさがないといけないそうで。
眼鏡は、朝から晩まで1日中ずっとかけていて
アイパッチは、保育園から帰ってから、お風呂に入る前くらいまで
1日4時間連続して貼ることになりました。
そして、医師から
目をよく使わせるために、テレビとかいっぱい見せてあげてください
と言われました。
好きなテレビアニメを見ることが、治療になるらしいですw
後編へ続きます。
参考文献:
視能訓練士になるには 橋口佐紀子著 (株)ぺりかん社
前編では、発見~治療開始まで、
後編では、治療開始~治療終了までについて書きます。
娘が6歳6か月、保育園の年長さんの冬。
春から入学予定の小学校に行って、就学時検診を受けました。
視力検査を行った先生いわく
「〇〇ちゃんは、左目の視力が出ないです。
すぐに眼科に行ってください」
目に異常があるとは思っていなかったので、まさに寝耳に水。
視力が出ないってどういうこと?
近視ってこと??
よく見えていないってこと?
家に帰る途中、遠くにある某電機屋さんの看板を指さして
「あの看板よく見える?」
「みえる」
右目を隠して
「左目だけで、あの看板よく見える?」
「みえない」
あ~やっぱり左目はよく見えないんだあ(汗)
次の日、近所の総合病院の眼科に行って
視力検査・視野の検査・眼底検査などを受けました。
そして出た結果は、
右目の弱い遠視と、左目の強度遠視による弱視。
いわゆる不同視弱視、という状態。
子どもが遠視?
子どもは普通、近視なんじゃないの?
眼科の医師いわく、
子どもの視力は、生まれた頃にはあまりよく見えないけれど
成長するにつれて、いろいろなものを見ることによって
視機能(ピントをあわせる調節能力、両目で立体を見る能力など)
を発達させていくそうです。
しかし、強度の遠視の場合には
網膜にピントがあった鮮明な像が映らないため、
視機能が充分発達できず、弱視になってしまうそうです。
そして弱視になると、眼鏡やコンタクトレンズを使ったとしても
ぼんやりとしか見えなくなってしまうそうです。
視機能は、生まれてすぐに発達し始めて
3~4歳ころまでには視力1.0くらいまで発達し、
6歳頃にはほぼ完成するそうです。
そして、8歳くらいまでに、視機能の発達は終わってしまうので
それ以降に治療を始めても、弱視は治らないそうです。
(ただし、視機能の発達が終わる時期には個人差があります)
視機能の異常は、できるだけ早く発見できたほうが
完全に治りやすいので、
3歳児検診で発見できるのが理想なのですが、
きちんとした眼科健診が行われていない市町村が多いようです。
私のいた市町村でも、3歳児の眼科検診はありませんでした。
というわけで、左目が強度遠視で弱視になっているのが
視力が出ない(眼鏡をかけても視力1.0未満)原因と分かったので、
すぐに、視機能を回復させる訓練を始めることにしました。
まずは、遠視にあわせた眼鏡作りの準備。
目の筋肉(毛様体筋)の緊張を完全にとって
目を完全にニュートラルな状態にするために、
アトロピン(調節麻痺薬)の目薬を数日さしました。
そして眼科に行って、度数の測定。
娘の眼鏡の度数は、以下の通りでした。
右:+1.5 左:+6.0(乱視ー1.0)
+6.0は、中等度遠視と強度遠視の境目くらいです。
この時点での左目の矯正視力
(眼鏡をかけた状態での視力)は0.4。
目標は1.0です。
眼鏡を作るときに、医師から、保険申請のための
「弱視等治療用眼鏡等作成指示書」という書類をいただきました。
これがあれば、
眼鏡の代金の8割は健康保険から出してもらえ、
残り2割も、乳幼児医療費から出してもらえるようです。
申請できるのは、5歳未満は1年1回
(正確には、前回の申請から1年以上経過していること)
5歳~9歳未満は2年に1回のようです。
処方箋をもらったときに、医師から
できれば、アトロピンの効き目が残っているうちに
眼鏡を作るといい、
そのほうが本人が眼鏡のメリットを強く感じるから、とのこと。
そしてできた眼鏡はこちら。
右+1.5D、左+6.0Dで
やっぱり右目のほうは、虫眼鏡みたいに光をよく集めますw
眼鏡を持って眼科に行き、チェックしてもらったら
ちゃんとできているそうです。
眼鏡もできたので、いよいよ目の訓練開始。
医師の話では、
ただ度があった眼鏡をかけるだけでは
これまで使っていなかった左目は、ほとんど使われないそうです。
なので、強制的に左目を使わせるために
右目に「アイパッチ」というシールを貼って
ふさがないといけないそうで。
眼鏡は、朝から晩まで1日中ずっとかけていて
アイパッチは、保育園から帰ってから、お風呂に入る前くらいまで
1日4時間連続して貼ることになりました。
そして、医師から
目をよく使わせるために、テレビとかいっぱい見せてあげてください
と言われました。
好きなテレビアニメを見ることが、治療になるらしいですw
後編へ続きます。
参考文献:
視能訓練士になるには 橋口佐紀子著 (株)ぺりかん社