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アルコールパッチテストは難しい [体質]

前ブログで、自分はお酒に弱いという話を書いたのですが

お酒に強い・弱い・飲めないという体質を
簡易的に判定するための方法として、
アルコールパッチテストというものがあります。

アルコールパッチテストのやり方は

1.70%アルコールを、絆創膏のガーゼ部分に含ませて
  上腕か前腕の内側(皮膚の白い部分)に貼る。
2.7分後に絆創膏をはがし、すぐに
  ガーゼが当たっていた場所の肌の色を見る。
  もし赤ければ、お酒が飲めない体質(テスト終了)。
3.さらに10分後(絆創膏を貼ってから17分後)に
  ガーゼが当たっていた部分の肌の色を見る。
  もし赤ければ、お酒に弱い=少ししか飲めない体質。
alcohol9.jpg

このテストでは、皮膚に接触したエタノールが
皮膚表面にある酵素カタラーゼで分解されて
皮膚を赤くする作用があるアセトアルデヒドになり、
アセトアルデヒドは、皮膚のALDH2という酵素で分解されます。

お酒に強い人は、ALDH2が充分にあり
アセトアルデヒドを分解する能力が高いので、
皮膚の色に変化はないです。

お酒が飲めない人は、ALDH2がまったく無く
アセトアルデヒドを分解する能力が極端に低いので
アセトアルデヒドの影響を強く受けてしまい、
短時間で(7分後までに)皮膚が赤くなります。

お酒に弱い人は、ALDH2活性があるけれど
お酒に強い人よりは低く(16分の1)
アセトアルデヒドの影響をそこそこ受けるので、
時間が経ってから(17分後までに)皮膚が赤くなります。


というわけで、
アルコールパッチテストを自分でやってみました。

家にあったエタノールは、95%くらいのもの。
ふだん、油性マジックで書いたものを消したり
ガラス表面を拭いたりするために使っているものです。

それを、水で少し薄めて、70%強くらいになるよう調整。
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それを絆創膏に数滴つけて
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上腕(肩とひじの間)の内側に貼りました。
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上腕 7分後に絆創膏をはがすと、色に変化はなく
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上腕 はがしてさらに10分経ってから、同じ場所を見たら
うっっっっっすら赤くなっていました。
(はがした絆創膏がぶら下がったままなのは、
 どこに絆創膏を貼ったかを分かりやすくするためです)
alcohol-p3.jpg

上の写真を、赤みが見えやすいよう画質調整すると
こんな感じに。
alcohol-p32.jpg

皮膚が赤くなりはじめたのは
判定の2分前(絆創膏を最初に貼ってから15分後)くらいからで、
判定の後は、ほとんど変化はなかったです。


と、一応結果は出たのですが、
赤みがうすく、いまいち納得いかなかったので
再トライすることに。

同じ上腕ではできないので、
今度は、前腕(手とひじの間)でやることにしました。

そして今度は、アルコール濃度を少し高くして
絆創膏のガーゼにつけるアルコールの量も
ガーゼがべたべたになるまで、しっかりつけてみました。
alcohol-p9.jpg

それを前腕の内側に貼りました。
alcohol-p4.jpg

前腕 7分後に絆創膏をはがしたとき。
上腕でのテストと同じく、赤みはないです。
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前腕 はがしてさらに10分後。
上腕でのテストと同じく、赤みは薄かったのですが
最初のときに比べれば、まだ赤みが見えやすかったです。
alcohol-p6.jpg

上腕でやるほうが、肌の色がより白いので
赤みは分かりやすいのですが、
前腕でやるほうが、自分の目で確認しやすかったです。

念のため、水に薄めない
95%のアルコールそのままでも試してみたのですが、
結果は、前腕のときと同じくらいの赤みでした。

95%のアルコールは、揮発性が高く
絆創膏のガーゼにつけたアルコールが、すぐに蒸発してしまうので
テストを少しやりにくい感じでした。


だいぶ前に、家族全員(私・夫・子ども3人)で
アルコールパッチテストをやったことがありまして、
結果は
私と子ども1人は弱く、夫と子ども2人はお酒に強かったです。
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その時も、私も、反応した子どもの皮膚の赤みも、かなり薄くて
よく見ないと分からないくらい。
お酒に強い夫と見比べて、なんとか赤いと分かるくらいでした。
私は、お酒を飲むと顔が真っ赤になるので
赤くなりにくい体質ではないと思うんですけどね。

アルコールパッチテストを初めて1人でやると、
たとえ赤くなっていも、赤くなっていないと判定してしまうかも?


ちなみに、遺伝的には
お酒の強さは、第12番染色体にある
アセトアルデヒド分解酵素ALDH2遺伝子が
正常(変異がない)か、変異しているかで決まります。
正常な遺伝子2つなら、お酒に強く
正常な遺伝子・変異がある遺伝子なら、お酒に弱く
変異がある遺伝子2つなら、お酒が飲めない体質です。

親2人ともお酒に強ければ、
お酒に強い子どもが生まれ
alcohol-g1.jpg

親1人がお酒に強く1人が弱ければ、
お酒に強い子ども・お酒に弱い子どもが生まれ
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親2人がお酒に弱ければ、
お酒に強い子ども・弱い子ども・飲めない子どもが生まれ、
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親1人がお酒に強く、1人が飲めなければ
お酒に弱い子どもが生まれ、
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親1人がお酒に弱く、1人が飲めなければ
お酒に弱い子ども・飲めない子どもが生まれ、
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親2人ともお酒を飲めなければ、
お酒を飲めない子どもが生まれる
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ということになります、あくまでも理論上は。

ただ、
アルコールパッチテストは、うまくいかないこともあるし
アルコールやアセトアルデヒドの分解能力は
年齢・性別・体格などによっても違うし、
お酒を飲み続けていると、弱い人でもある程度強くなることもあるし、
赤くなり方にも個人差はあるし、
どんなにお酒に強い人でも、高齢になれば弱くなったりも。

アルコールパッチテストは、親子鑑定のためのものではなく
自分がお酒に強いかどうかをある程度知って、
お酒に強くても、飲みすぎないように気を付けて
お酒に弱ければ、少ししか飲まないよう気を付けて
お酒が飲めなければ、絶対に飲まないように気を付けて
というためのもの、ということで。
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アルコール分解能力16分の1 [体質]

私、アルコールに弱い体質です。

お酒は好きなのですが、早いペースで飲むと
ビールをコップに半分飲むだけで顔が赤くなり、
さらに飲みすぎると、今度は青白くなって、吐き気が。
体調がいい時に、ゆっくりちびちび飲めば大丈夫なので、
まったく飲めないわけではなく、弱いです。
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お酒をどれくらい飲めるかは、大きく3種類に分けられて

1.普通に飲める人。日本人の56%。
  ALDH2という酵素が十分にある。
2.お酒に弱い人。日本人の40%。
  ALDH2という酵素が、普通に飲める人の16分の1。
3.お酒が飲めない人。日本人の4%。
  ALDH2という酵素がない。
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アルコール(エタノール)が体内に入ると
酵素の働きで「アセトアルデヒド」という有害物質に変化し、
さらに、酵素の働きで「酢酸」という無害な物質に変化します。
そして、
肝心の「ALDH2」は、アセトアルデヒドを分解するメインの酵素。
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※アセトアルデヒド分解酵素にはいくつかあって
 ALDH1は全員が持っていますが、
 ALDH1はアセトアルデヒドが高濃度のときのみ働くので
 お酒の強い・弱いとは、ほとんど関係ないです。

ALDH2の遺伝子は、ヒトの第12番染色体にあり
基本、同じ番号の染色体は2本ずつあるので
ALDH2の遺伝子も、1人で2つ持っています。
そして、
ALDH2の遺伝子から、ALDH2の「部品」が作られ
部品が4つ組み合わさって、ALDH2酵素が作られ
それが、アセトアルデヒドを分解します。
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ただし、ALDH2遺伝子に変異が起きると
部品が不良品になってしまい、
4つの部品のうち、1つでも不良品が含まれると
アセトアルデヒドを分解することができなくなってしまいます。
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お酒を普通に飲める人は、
ちゃんとしたALDH2遺伝子を2つ持っているので
作られたALDH2酵素は全部、アセトアルデヒドを分解できます。
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お酒をまったく飲めない人は、
ALDH2遺伝子2つともに変異があるので
すべてのALDH2には機能がなく、
アセトアルデヒドを分解できないです。
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そして、お酒に弱く、少ししか飲めない人は
ALDH2遺伝子1つと、変異があるALDH2遺伝子を1つ持っていて
それらから作られた部品が、ランダムに4つ合わさります。
その結果、正しい部品4つで作られる酵素は
全体の16分の1しかないことに。
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というわけで、
お酒を普通に飲める人に比べると
お酒に弱い人のアルデヒド分解能力は、たった16分の1。
なので、
お酒に弱い私が、コップ半分のビールを飲むのは
お酒に強い人が、コップ8杯のビールを一気飲みするのと同じことに。
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※アセトアルデヒドの分解能力は
 ALDH2酵素の遺伝子だけでなく、
 年齢・性別・体格・感受性・その他体質によっても違います。

そう思うと、
飲む側は、無理は禁物だし
飲める人は、お酒に弱い人やお酒を飲めない人に
無理に飲ませてはいけないんだなあと。


次のブログでは、
お酒を飲める体質かどうかを調べる
アルコールパッチテストについて書きます。
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